江戸のころにはのぼりは確立されていました。

しかし「始まりとはどこか」との問いに答えるとしたら戦国の世ののぼり旗です。

変遷などお話ししましょう。

■のぼりの始まりは平安時代・戦国の世に。

のぼりの歴史は平安時代、戦国の世まで遡ることができます。

当時ののぼりとは、現代のような商用ののぼりとはまったく違って、戦のためののぼり旗、敵陣に自陣の存在を威厳をもって知らしめることが1つの役割となっていました。

敵と戦うのに、自陣の場所を知らせるのはおかしいと思うでしょうが、昔はそれが闘いのあるべき姿だったのです。

そしてその威厳が自陣の臣下にも伝わり、士気を高めたのです。

■戦国時代から江戸時代へののぼりの変貌。

戦国時代ののぼりとは違って、江戸時代に入るとのぼりは「屋号の告知と機能の表示を知らせるためのツール」となりました。

『旅籠 信濃屋』とか、『ちりめん問屋 越後屋』といった具合です。

いわゆる表札のような機能が主でした。

のぼりとは不思議なもので、現代に至っても活用法を変えつつその存在が失われなかったのは、便利に機能する手軽な存在だったからではないでしょうか。

素材を布地(絹・戦国の世~ポリエステル・現代)としたのが良かったのかも知れません。

■のぼりの原形が出現したのは平安時代で、江戸~明治を経て、現代に至っています。

のぼりとは愛されつづける生き物のようです。

時代が変わり活用のされ方が変わっても生き残っていくものの条件とは、「柔軟性の有る無し、適応性」なのだそうです。

そのように考えると、のぼりとはまさに軟体動物。

今後もいろいろな時代を経ながら生き残っていくことでしょう。